
◯子どもが悪いことをしたら体罰も必要なんじゃない?
今日はこんな方向けの記事です✨
こんにちは。
管理人のしの(@sino_sinmama)です。
私は子供の頃、7年間ほど体罰を受けて育ちました。なので今回は子どもの立場から、体罰が必要か必要じゃないか、それをお伝えしますね。
時代が変わっても体罰の是か非かは論議に上がります。
最初に私の考えを伝えておくと、
体罰はいらない
そう思っています。
なぜなら無意味だから。
その理由も含めて
ちょっとモリモリの内容でお届けします…!
体罰を7年間受け続けたしのの体験
しのの体罰体験を以下の流れで説明します。
- 私が体罰を受けた期間と理由
- 盗みの始まり
- 体罰の内容
- 止まらない私の盗み癖
- 私の盗み癖が止まらなかった理由
- 盗み癖がある日突然、終わる
私が体罰を受けた期間と理由

私が父から体罰を受けていたのは
7歳~14歳の間。
体罰を受けた理由は、私に
盗癖
があったから。
盗癖というと、盗むことに快感を覚える精神障害もありますが、私の場合は完全に違います。
とにかくお菓子やおもちゃが欲しかった。
なぜなら、常にひどい枯渇感があったからです。
愛情に飢えていましたが、この記事の主題ではないので、ここでは詳しく書きません。

でも…盗みクセがあったら、体罰を受けて当然じゃない??
うん、私も自分の子どもがそうだったら、ひどく苦しみますし、こんな子どもはヤダって思うかもしれない。
私は両親をひどく苦しめた、加害者そのもの。
だから、
悪いのはアンタなんだから、叩かれて当然、
悪いことをしたら、厳しくしつけないといけない。
その考え方に至るのも十分理解できます。
でもね、それでもやっぱり、体罰では解決しない問題だったんです。
盗みの始まり
私の盗みが始まったのは、小学校1年生の時。
お金を持っていけば、好きなものが買える。
それは非常に魅力的でした。
普段からおもちゃやお菓子を買ってもらえず、何かを欲しがっても激しく非難されます。
いつの間にか、私は親に甘えられなくなってました。

お父さんとお母さんに言っても怒られるだけだから、こっそりお金を持って買いに行けばいい。
本当は抱っこや甘い言葉が欲しかったのだと思います。
でもそれがもらえない。
だから、その代わりで、モノに求めるようになりました。
始まりは、父にスーパーでのおつかいを頼まれた時。
私はコッソリ100円の折り紙を一緒に買い、レシートは捨てて、父にお釣りとおつかいの物をわたしました。
でも子どもの浅知恵なんて、すぐに気づかれます。

100円足りない。レシートもない。探してこい。
父の追求は止まらず、私は仕方なく捨てたレシートと折り紙を出しました。

オマエのやってることは犯罪だ!根性を叩き直してやる!100回謝れ!!
父から怒号を受けながら、私は100回土下座をしました。
その時、私の友達も一緒にいたので、非常に恥ずかしい思いをしたことを覚えています。
ただ、一回目なので、叩かれることはありませんでした。
悪いことをしたのも、盗みは犯罪というのも、十分に分かっていました。
でもね、私の盗み癖は止むこと無く、ここから7年続くことになります。
体罰の内容
二度目からは、家のお金を盗むようになりました。
両親は自営業で、お金の管理がズサン。
無造作に置かれたお金を、コッソリ持っていきました。
でも私が見慣れないおもちゃやお菓子を持っていたので、すぐに盗みがバレます。
2回目からは容赦なく手が出ました。

てめぇ!!ふざけてんじゃねぇ!!!
バッチーーン!!!
父はキレるタイプで、怒鳴りながら何度も平手打ちをされます。
実はこの辺りの記憶が曖昧です。
ひたすら恐怖に耐えていたと思いますが、記憶がとぎれとぎれで、うまく思い出せません。
体罰が終わって泣いてる私に、母は心底蔑んだ目を向けながら、こう言っていました。

あんたが悪いんだからね。叩いてるほうが辛いんだから!!
「何言ってるんだよ…叩かれるほうがもっと痛いんだ…!!!」
部屋の隅っこで泣きながら、私は次第に両親を憎むようになりました。
止まらない私の盗み癖
激しく怒られ、恐怖を感じているのに、暫く経つと私はまたお金を盗んでしまいます。
やってはいけないことというのは、父の態度を見ても十分に分かっていますが、自分の行動を止めることができませんでした。
小学校高学年になるにつれ、両親を激しく憎むようになった私は、父親にふてくされた態度を取るようになります。

父親に向かって何だその態度は!!バカにしてんのかっ!!!
そのたびに父から怒鳴りつけられ、髪を引っ張られたり、熱いお茶をぶっかけられたりしました。
お父さんもお母さんも、もういらない
いつの間にかそんな考えが浮かぶように。
毎晩、私が寝ると、父と母は私のバッグの中や机の中をチェックします。
怪しいものが見つかったら叩き起こされ、お説教と体罰です。
当然といえば当然ですが、常に監視をされるようになり、母の過干渉も拍車がかかりました。
私の盗み癖が止まらなかった理由
盗み癖が止まらなかった理由は、現在の私には明確に分かります。
愛着に問題があった私は、幸せホルモンであるオキシトシンが不足してました。
そのせいか、子供の頃はやたらとぬいぐるみを欲しがったり、ペットを飼いたがりました。
さらに安心感が得られるセロトニン。
常に怒鳴られる環境だったので、こちらも足りてないと容易に予測できます。
これらの幸せホルモンが足りないと、人は攻撃的になったり精神疾患を抱えやすくなります。

私の仮説ですが、幸せホルモンが少なかった私は、おもちゃやお菓子を手に入れることで、足りないホルモンを補おうとしてたんじゃないかと。
おもちゃやお菓子が手に入ると、快楽ホルモンのドーパミン、脳内麻薬と呼ばれるエンドルフィンが分泌されます。
一時的な多幸感に満たされるので、それを味わいたくて、私は盗みを続けていたという仮説がたちます。
もしこの仮説が正しいなら、
父が行っていた体罰は、
愛情が欲しかった私には逆効果。
体罰を受け不安定になった私は、さらにお金を盗むといういたちごっこに陥ります。
これが7年も続いてしまった理由だと思っています。
盗み癖がある日突然、終わる
そんな7年も続いた私の盗癖。
それが突然終わります。
中学生になった私は、初めて万引をして捕まります。
私が通っていたのは有名私立中学。
もしバレたら退学になる。
さすがにまずいな…と思う一方で、もうどうでもいいやって気持ちでした。
警察に迎えに来たのは母。
初犯ということで、学校への連絡は無し、お咎めなしになりました。
警察の方が「寂しくて万引をしてしまう人もいるんですよ。」
そう言った時、母がいつもの蔑んだ目で私を睨む。
根っからの悪人を見るような目つきでした。

そりゃそうだよね…。
すべてに諦めきっていた私ですが、さすがに父に怒鳴られたり体罰を受けるのは苦手です。
憂鬱な気持ちで家に帰ると、父が仕事を抜けて待っていました。

今日はいつもよりひどいかもな…。
覚悟して父の前に座った私に、父はたった一言だけいいました。
もう……すんなよ……。
絞り出すように言ったあと、父は静かに泣きました。
初めて見る姿でした。
心が壊れかけてた私は、そんな父を見ても何も思わず、ただ人形のようにボ~ッと見ていました。
「ああ…怒られないんだ、ラッキー。」
そんな気持ちしか浮かばなかった。
でも……
その日を境に、私の盗み癖はパタリと無くなりました。
なぜ体罰は必要ないのか~人の心に真に届くもの
私の体験で分かる通り、数多くの体罰では止まらなかった盗癖が、たった一回の父の涙で終わりました。
これはなぜなのか。
感情には実は二種類あります。
それが、一次感情と二次感情。
一次感情は悲しみや苦しみなどのネガティブなもので、自分が感じてる本当の感情。
二次感情は怒りで、一次感情が原因で生まれる感情。
人はもともとは悲しみや不安を一次感情で感じていますが、感情として表出するのは怒り。
本当は悲しみや不安を感じてるのに、瞬時に怒りに変わっちゃうんです。
私の父は、私が盗みをするたびに
- 娘が盗みをして苦しい
- 娘が「もうしない」という約束を破って悲しい
- 娘の将来が不安だ
本当はこんな感情を抱いていました。
でも、悲しいという一次感情には気づかずに、瞬時にキレてしまった。
激しい怒りを爆発させた父は、私を怒鳴り叩く。
怒りで私をコントロールしようとしたんです。
でも本当は、
父は悲しくて不安で、心配だったんですね。
そして、怒りという二次感情は、その人が感じてる本当の感情ではないので、ぶつけても他人の心に響きません。
人の心に真に届くもの…
それは一次感情、
その人の本当の心です。
本当の感情が届いた時、初めて人は心を動かされます。
これは体罰だけの話ではなく、人間関係のあらゆることに当てはまります。
相手が分かってくれない
そんな時、あなたはあなたの本当の気持ちを、包み隠さず伝えているでしょうか。
本当の感情を伝えるのは、とても勇気がいることです。
でもね、暴力や怒りでは人の心は動かない。
あなたの飾らない本当の心が、相手の心の奥に届き、心動かされるのです。
これが7年も続いた私の盗癖が終わった理由です。
だから私は、体罰は必要ないと…そう思っているのです。
あなたはどう思われますか?
虐待を受けた子どものその後
時々このブログでお伝えしてますが、
私はこの世から虐待が無くなってほしいとそう願っています。
それは自分が体罰を経験してるから…というのもあるから。
でもね、虐待は、私が受けた体罰なんて及ばないくらい、過酷で残虐なものです。
虐待を受けて生き残った子どもたちを、虐待サバイバーと呼びます。
虐待サバイバーの方は、成長したあとも様々な症状に苦しんだり、生きにくさを抱えます。
なぜかというと、虐待を受けることで、脳の発達に何らかの障害を受けてしまうから。
この本などに詳しいです。
親から受ける暴力・暴言・無視は、簡単に子どもの脳を傷つけてしまう。
脳科学的に見ても、通常の成長をした子どもに比べ、大きなハンディキャップを負っているのです。
虐待ほどではない、体罰を受けた私でさえも、長年、離脱症状に苦しみました。
虐待を受けた子どもは大人になって、虐待の連鎖を起こしたり、精神障害に悩まされたりします。
でも…全員が全員そうかというと、違う成長を見せる方もいるのです。
今年に入って、私はTwitter経由で、ある一人の女性と知り合います。
彼女の名前はaoyaさん。(@aoya35037387)
まだ会ったことはない、SNSのお友達です。
彼女は私と同じシングルマザーで、今は娘さんと一緒に暮らしています。
とても明るくてユーモアがあって、私は一発で彼女が好きになりました。
彼女もまた、虐待サバイバーです。
幼少期の経験は、彼女のアメブロで詳細に分かります。
私とは比べ物にならないくらいの、過酷な環境で育ちました。
彼女の父は、彼女を怒りと暴力で支配しようとします。
そんな父への不信感を、aoyaさんはどんどん募らせていきます。
親は厳しく躾けて子供の反抗的な部分とか、成績とか直そうという気持ちだったのかもしれませんが、全くの逆効果です。親への信用も愛情もどんどんなくなっていきます。子供は親へ無償の愛を与えてくれる?答えはノーです。どんなに子供のためと思って、厳しく躾けても、そこに愛情を感じられなければ、子供の気持ちもどんどん離れていきます。
引用:「恐怖の夜」より
私が親を憎んだように、彼女もまた、親を憎んだのかもしれません。
でもどんなに暴力的な親でも、子どもは親が用意した環境に、適応せざる得ません。
他の選択肢なんてない。
どんなに過酷でも、そこで生きるしか選択肢が無いんです。
「親への信用も愛情もどんどんなくなっていきます。」
そう語る彼女は、何度絶望したのでしょうか。
私には想像すらできません。
もしかしたら、今でも昔の記憶で、苦しんでるかもしれない…!
でもね……不思議ですが、
絶望に見える彼女のブログから私が感じるのは
希望
むしろ
彼女の存在そのものが、希望の光です。
それはきっと、aoyaさんと接したことある人なら
感じたことがあるのではないでしょうか。
彼女の明るい生き方は、つらい過去を微塵も感じさせないくらい、凛として清々しい。
体罰も虐待も、その子の人生に暗い影を落とす。
でもそこを乗り越えることができることを、彼女はいつも私に教えてくれるのです。
よかったら、aoyaさんのブログを読んでみてください。
虐待表現のある記事は、
切なくなるほど心が痛みます。
でも、飾り気のない彼女の言葉は、きっとあなたの心の奥に届きますから。
読んでくださってありがとうございます。